博多の名物であるのが、「いなほ焼き」です。表面はカリッと、なかはジューシーなのが「いなほ焼き」の魅力です。そういった魅力ある「いなほ焼き」は、九州から遠く離れたところに住んでいる方だと、なかなか食べられません。「いなほ焼き」独特のモチトロ感を、家でも食べられるとよいでしょう。いなほ焼きをお家で作れないか、そういったご期待に応えるべくここでは「いなほ焼き」の製造法や、特徴を紹介します。
「いなほ焼き」の美味しさは5年間の試行錯誤の結果
一度食べると、はまってしまう「いなほ焼き」のおいしさの秘密は、5年もの間試行錯誤を重ねて開発されたことにあります。「いなほ焼き」と言えばサクッとした表面に、モチモチ食感とトロトロのソースが特徴です。
そして極めつけは手で持って食べられるという点でしょう。博多は名所も多く観光客も多いことから”手で持って食べられる”ことは、多くの方に食べてもらえます。
「いなほ焼き」は、農業のかたわら惣菜やお米の商売を行っていた兼業農家の当店店主が考案しました。お客様に喜んでいただける商品ができないかと、5年間試行錯誤の末に誕生したものです。5年間費やした独特の細かい製造法により、”手に持って食べられる”たこ焼き・お好み焼きを開発することに成功しました。
その独特の細かい製造法には、以下のようなものが用いられています。
- オリジナル配合のいなほ焼き専用粉
- 粘土の高いオリジナルソース
- 旨味の高い専用マヨネーズ
- 食材メーカーと共同開発した専用揚げ玉
「いなほ焼き」の生地やソース・マヨネーズは、5年かけて完成した特製の完全オリジナルでできているのです。
「いなほ焼き」の専用粉
サクッとした表面とモチっとした食感を生み出すために、「いなほ焼き」専用の粉が開発されました。独自のモチモチ感とトロトロ感を出すために、粉の配合を研究し続けたのです。約3年の試行錯誤の末に、オリジナル配合のいなほ焼き専用ミックス粉が完成しました。
このオリジナル配合のいなほ焼き専用ミックス粉には、以下のようなものが使用されています。
- 小麦粉
- 澱粉
- 米粉
- 砂糖
- 植物油脂
- 食塩
- 乳化剤
- 増粘多糖類
- アミノ酸などの調味料
- ベーキングパウダー
小麦と米粉をブレンドすることで、モチモチ感とトロトロ感が得られるのです。
粘度の高いオリジナルソース
ジューシーなソースも、もちろんオリジナルです。とろみが強い「いなほ焼き」のソースには、片栗粉が使用されているような、みたらし団子のタレのようなツヤ感があります。とろみの強いソースが口いっぱいに広がり、ジューシーな味わいになるのです。この粘度の高さも、「いなほ焼き」には必須といえるでしょう。
旨味の高い専用マヨネーズ
ソースによく合うマヨネーズも、独自の製法で作られています。うまみの強いマヨネーズを作るためには、一般的なマヨネーズのレシピに必須であるサラダ油を、こめ油に変更するという方法があります。こめ油には栄養とうまみが凝縮されているのです。栄養は植物油のなかでも、一番よいものとなっています。
マヨネーズの成分はほとんどが油でできており、マヨネーズの風味を決めるのは油といっても過言ではありません。米油は余計な癖がなく酸化もしにくいため、料理によく使われます。「いなほ焼き」のようなうまみの強いマヨネーズを家庭で再現したい場合には、こめ油を使用してみるとよいでしょう。
専用揚げ玉
食感を生み出す重要な役割もはたす揚げ玉は、食材メーカーと共同して開発されました。「いなほ焼き」のアクセントになるようなサクサクの食感は、家庭でも再現できます。揚げ玉を家庭で作る場合、酢を加えるとサクサクの揚げ玉を作れます。
”手に持って食べられる”たこ焼き・お好み焼き風
「いなほ焼き」は食べ方にも店主のこだわりが強く現れています。多くの人に稲作文化を広めることが目的のひとつであったので、多くの人に食べてもらう必要がありました。そこで”手にもって食べられる”ところに、着眼したのです。
フワフワすぎる生地では、崩れてしまいます。そのため生地の原料となる粉の配合には、かなりの年月を費やしています。もちやすいしっかりとした生地でありながら、硬すぎないというのがポイントです。またソースをかけるのではなく、なかに入れてしまうという新しい発想が生まれたのです。
まとめ
”手で持って食べられる”というフレーズをもつのが「いなほ焼き」です。その製法は生地からソース・マヨネーズまですべて完全オリジナルで、開発するのに5年もの歳月を費やしています。5年の試行錯誤の末に完成したのがオリジナル配合のいなほ焼き専用粉、粘度の高いオリジナルソース・旨味の高い専用マヨネーズ、食材メーカーと共同開発した専用揚げ玉です。
これらは自宅で再現できるかもしれませんが、なかなか5年の歳月には勝てないものでしょう。その際にはぜひ一度「博多いなほ焼き」のいなほ焼きを、食べてみてください。オンラインショップでも販売しておりますので、遠隔地の方でもお楽しみいただけます。
